引き寄せたのは運命の人ではなくヲタクな日々

何ヲタと聞かれると答えられない程のヲタ活をしているアラフォーまっしぐらな女の話。

斉藤龍吉七四歳 観劇レポ(統括)

f:id:mai-kj8:20230710001459j:image今回、6/23 19時、6/24 13時、17時と観て来ました!!

 

(お話の内容をざっくり(時系列がゆるふわです))

遺品整理をその家の家主の長男から依頼を受け向かった遺品整理会社のメンバー。どうやらタバコの不始末による火事により、その家主は亡くなったらしい。片付けをしながら家主であった人がどんな人物だったかを想像するも、どうもしっくり来ない江崎(倉内さん)。そこに指示を仰ぎに来た新人の城戸(濱田さん)は白熱する3人を見て何をしてるのかと3人に尋ねる。江崎が毎回故人になった人がどんな人物だったのかを知る為にお芝居を一緒に打ってるらしい。しかし、先日江崎は自分の母親が亡くなったばかりで落ち込んでいる。それを見兼ねた葛西(ふちがみまゆさん)がアスパラ(斉藤さん)に江崎を元気づけるように言うも、なかなか上手くいかない。そこに佐野(角さん)がやってくる。「また自己満足ですか?ってか江崎さん、それ(勝手に想像するの)仏さんに失礼ですよ」と突っかかられた上に「そんな事より出世考えた方がいい」とまで言われてしまう。「全焼だったら良かったのに」と言って、エアコンを外しに行く佐野は両親に捨てられ、施設で育った。そのせいか、少し人との距離感がある。また、新人の城戸は有名大学に通っていた時に友人から訪問販売で詐欺を働き、大学を中退していると言う経緯があった。彼らにはどうやら様々な問題を抱え、今を共にしている。


そんな中、家主であった部屋から女性ものの服がたんまり出て来る。20年前に亡くなった母親のものにしては状態が良いものばかりだ。その手伝いを城戸もする事になった。戻って来た佐野はカセットデッキにテープが入った状態のを見つけて江崎の元に戻ってくる。先日母親が亡くなったショックだった胸のうちを佐野に酒を注がれ飲み干して打ち明ける。親族からハブられていた事。自分がその手伝いを出来なかった事。兄があまりにも出来る人間で比べてしまう事。母と生きているうちにほとんど話せなかった事。生きているその人の言葉に勝てない事。仕方なく聞いていた佐野に「江崎さん、酔ってます?」と聞かれるも、「酔ってない!」と言う。そんな話をしていたら2人はとあるものを見つけてしまう。「遺書」だ。しかし、内容には先日依頼を受けた明記のなかった名前の子どもに入っている宝くじの1億円を渡すように明記されていた。2人は顔を合わせて秘密にする事に。洋服の片付けをしていた葛西、アスパラ、城戸がその中には看護師、セーラー服などの服やメイク道具まであるらしい。実際に葛西はチャイナ服、城戸がクラシカルメイドを着て出て来る。しかしそこに来客が。佐野が全員に伝えるも時既に遅し。家主の実の娘であるあけみがやって来たのだ。


兄には秘密でやって来たあけみだが、あけみもまた母が亡くなり、父親である龍吉の変な趣味を近隣の人から伝えられなんとなく様子を知っていた。しかし、どうしてそんな趣味を持っていたかまでは分からずに化粧品は全て処分するように葛西に伝える。また、葛西は葛西でひょんなことから江崎が「遺書」を持っている事を知ってしまい、佐野に伝えにいく。江崎が自殺しようとしてるのではないかと考えたからだ。首根っこを持たれる佐野も「面倒くせぇ」と言いつつ、葛西が勘違いしているのを訂正し、それが家主の書いた遺書だと言う事を知らせ、家族構成にいない3人目の娘に1億円を譲り渡す事も。佐野は誰にも言うなよと言うも冷静になれそうにない葛西に言うが、次の場面で江崎にそのことについて問い詰める。そして、葛西は「遺書を金庫にしまいますから貸してください」と江崎に言い金庫にしまう。そんな中、城戸が江崎に「アスパラが何かを見つけて隠し持っている」と告げ口し、アスパラを問い詰める江崎。何を隠していと言うとお笑い芸人?のウッドカッペイ師匠のライブビデオとカセットであった。佐野には「ウッドペッカー?」と言われるが言い直す。どうやらアスパラの憧れの芸人らしい。それを譲ってくれないかとあけみに言うと、どうぞと言われて無事に譲って貰える事になったのだが、前にアルバムを見た江崎がアスパラに「これ分かるか?」と浅草演芸ホールの写真を見せる。そして、モノマネをするからさっきの衣装貸してくださいと言うアスパラに「はい。どうぞ」と言うとアスパラによるウッドカッペイ師匠のモノマネが始まる。それを観たあけみが「お父さん?」と言うので一同も「お父さん?」と聞き返す。どうやら駅前で「いつもいつもごめんなさい」「いつもいつもありがとう」と様々な服を着てやっているのをあけみは見た事があったらしい。江崎に家主の書いたメモを見て欲しいと言われて拒否するも、少し間を空けて受け取り目を通していく。字の汚さにウンザリしながらも目を通していると読めない字が出て来て、城戸が説明をする。そんな中、江崎は遺書の話をあけみにする。あけみは「給食費もまともに払えなかったことがあるのにそんな他に子どもなんている訳ない」と言う中で、宝くじの券がなくなってしまっている事にあけみが確認して判明する。犯人は葛西で、葛西は「本人が渡したくないのに何で手渡さないとなんですか!」と反論。前回も金目のものだけくださいと言う家族を対応した際も故人の思い出より財産だったからだと言うのだ。しかし、肝心の1億円を確認するも当たっておらず、手渡せるものはない状況。そして、父のイメージを勝手に壊さないで。と言うあけみに対して「じゃあ何でここに来たんですか!来なかったら知らなくて済んだでしょ?知りたかったから来たんじゃないんですか?お父さんのこと」と佐野にピシャリと言われてしまうあけみ。その空気を全く読まずにショートコントをはじめるアスパラ。巻き込まれていく江崎、城戸、葛西。「いつもいつもごめんなさい」「いつもいつもありがとう」「俺の息子でいてくれてありがとう」「俺の娘でいてくれてありがとう」と言われて涙ぐむあけみ。そして、「ウッドカッペイ師匠のビデオとカセットはあなたが持っていてください。家族だからこそ分かる事があるかもしれません」とあけみに手渡すアスパラ。


そして、無事にあけみが帰ったところで片付けを再開する一同。しかし、佐野だけがそこに残り「自己満足…」と言いながらもおもむろに龍吉のアルバムを開き何枚か見た後「親か…」と何かを考えてアルバムを閉じて立ち去っていく。その後、あけみが父である龍吉に宛てた幼少期ラジオ番組に出た時の作文がカセット越しに流れて終演となる。

 

 

・江崎さん役(倉内さん)

毎回どこの公演に入ってもいい役されてるなぁと思ってます。佇まいももちろんなんですが、「どこかに絶対に存在するお父さん」の描写がとてつもなくうますぎるんですよね。それでいて、情けなさもこんなに曝け出せる。普通怖いじゃないですか。でも全く躊躇なく出来るって凄いですよね。また、江崎さんの優しく繊細な部分が垣間見れたお母さんの話で涙しました。


・葛西さん役(ふちがみまゆさん)

初めてふちがみさんの演技みたんですけど、シリアスと陽気なところがとにかく寒暖差ありすぎて風邪引きそうでした。でも、凄く葛西さんのキャラクターがあの中にあって良かったです。きっと凄く素直でまっすぐで熱量あるハートの持ち主だからこそ許せなくなっちゃった事があったんだろうなぁって。感情的になっちゃう気持ちがこの中の役では1番多分熱くて本当感情が最強サウナ過ぎて最高でした(おかげで心が整いまくりました!)

 


・佐野さん役(角さん)

初めてこんな影のある役だったんじゃないかと思ったんですけど、角さんの目だけの「だりぃなぁ」と思いながら目配せしている演技がとんでもなく良かったんですよね(ずっとそれ見て感動してました)両親に捨てられて、人生達観しながら生きて「どうせこうでしょ?」なんて思いながらいるのに、毎日どこかで、「親がいたらどんな人生だったんだろう」を考えていると言うか憧れていたりもするのかな?と思ってたりしました。亡くなった彼の娘のあけみが来て「じゃあなんで来たんですか!来なかったら知らなくて済んだでしょ?知りたかったから来たんでしょ?お父さんの事」には納得しか出来なかったし、その対角線上に「俺は知りたくとも…親に捨てられたから知れない。知りたくもないけど」がヒシヒシ感じられたから余計にグッときました。おちゃらけるとこと虚無なとこの寒暖差に風邪引くかと。また、江崎さんの聞き方からすると佐野くんには彼女いる設定みたいだったので人にお節介焼いて助けちゃったか(葛西さんとの首根っこ掴まれたやつ見た感じからの憶測)、寧ろカッコイイお姉さんに助けられて惚れちゃったかの2択で、寧ろ家族についてとか聞いて来ないタイプだったりするんだろうな?とか思いながら最後のシーンで佐野くんの未来や人生にその日初めて日が射す感じがしたので、本当に幸せになって欲しいと思いました。ところで、あのシーンではプリッツ?かな?何食べたんですか???かるじゃがかもしれんし、寧ろ何味だったのか気になりますね???

 


・城戸さん役(濱田さん)

毎回濱田さんの配役が断然大好きマンなんですけど、初めてみた「話がちがう」の麦田さんはとても真面目だけど、はっきり物申すしっかり者、「ヒーロー道に迷う」では斉藤さん演じる役の奥さん役で、とても可愛らしくて、「人妻!」ってなったら情報過多で過呼吸起こしかけました。本当どっちも素敵で大好きになっちゃったんですけど、今回のキドミ本当可愛過ぎて余計好きになってしまってもう!!(大天使)心のクソデカうちわが止まらない位になってしまって「俺のクラシカルメイドが可愛い!!」「キドミしか勝たん!!」とかなったし、ブロマイド欲しかった(またお前は…)何ならランダムブロマイドでいいんです!!95枚中(角さん)5枚(濱田さん)でいいから欲しかったです(どういうこと???)「キドミーーー!!!お父さんの子じゃないよーーー!!えーーーーん!!!(棒)」あまりにも可愛過ぎて心は大分ジタバタしてました。城戸ちゃんは素直な分、いい大学出て、友達に勧められて訪問販売で詐欺しちゃって両親悲しませちゃったけど、それでも健気にこの仕事頑張って社会に貢献しようとしてて、もう一生推すっ!!てなったのですが、「後日彼らの明日」が気になるぅぅ…城戸ちゃん幸せになってね!!

 


・アスパラ役(斉藤さん)

前回と言い今回と言い、こんなどえらいイケメンにこの役を与えたキャスティングの方天才では???と思いました(全私がスタンディングオベーションズルいよなぁ。角さん演じる佐野に「おい!カイワレ!」と呼ばれて「アスパラですぅ〜」と言う斉藤さん可愛すぎるし、毎回地元のスーパーでよく聞くあの曲を歌いながらアスパラベーコンするところ3回とも大爆笑してしまったんだけど(いや、あれは腹筋がバリバリキレちゃう位に笑ったし、11時腹筋出来たからマジで感謝「感謝感謝で観覧車」とか本当リズミカルでもあり、マジな芸人魂観てしまって、更に沼でした。アスパラいい役でしたね。本当。アスパラがいなかったら本当にこの作品救われる人誰もいなかったし、世界中が暗闇から解放されなかったよ!!太陽みたいな元気なアスパラにまた会いたいです!!

 


・斉藤あけみ役(服部さん)

毎回お肌ツルツルウルウルすぎて、化粧品一覧本にして我々に売ってくれないかと思う(???)お嬢さんな役が多いんですけど、めっちゃ苦労人のお嬢さんなんだよね?服部さんの役。一見いい人そうな雰囲気を一気に崩壊させていくの毎回凄過ぎる!!今回もはちゃめちゃな父親のことを嫌いになれなくて、それでも愛してくれるあけみ演じる服部さんの心があまりにもマリアナ海溝過ぎて泣いた小さい頃のあけみが出たラジオを聴いてお父さんが亡くなったと聞いたのが判明して、きっと娘が自分を好きでいてくれた永遠の宝物だったんだろうなぁ?あのラジオはきっと。お父さんにとって。あとね、服部さんの所作がとにかく美しくて見惚れてしまった。私が特に好きってなったのは「箪笥にあるお酒の隣に花束置いて手を合わせる時にスカートを直すしぐさ」が特に美しくて「茶道、花道、剣道、弓道とか、日本舞踊嗜んでそうな人にありそうな仕草」だったので、魅せる技術に更に泣いた。

 


・全体的なまとめ

2014年に上演されたリバイバルと聞きリバイバル?!前回誰がこの役されたのかなー?」がまず気になりました。リバイバル公演あるなら観てみたいと思う作品しかない。私は去年の「ヒーロー道に迷う」好き過ぎて、また観たいんだよな。(東山(角さん)とすみれ(服部)さんの夫婦マジで良すぎてあと100回位浴びたい)ダメですか???しし座さん???ご検討よろしくお願いします!!

 


そして、あの私アスパラ役の斉藤さんがあまりにも好き過ぎて大爆笑してたので、マジで笑いで劇場吹っ飛ばさないか心配だったんですけど、大丈夫でしたか?同じ回に来てたフォロワーさんから「すぐまいさんの笑った声で位置分かったし、笑いにつられた」とまで言われてしまい、本当周りの方ごめんなさい。何も反応しないの良くないって思ってるし、それを経験した事ある身からすると「正解」なのか「不正解」なのか困ると思ったら案の定。楽しんでくれてるか心配になるって言うか。最後行った回、私の隣の方が割と私がほぼツボった反応同じでありがたかったな。

 


しし座さんのお話は毎回人間の繊細な部分をたくさん見られて大好きなんだけど、今回のも本当にそれぞれが抱える問題にちゃんと向き合っていく感じがして、今回は「家族」ってテーマがあって。1番近い存在だから厄介にも思うし、それぞれの生い立ちを恨んだり妬んだりしがちだよなぁって。まして綺麗事でも一筋縄でもいかない。血の繋がる赤の他人(これは私が「家族」と言う事に対して個人的に思っている事なんですが)なのにどうしてかが多分ね、佐野は理解出来ない人生だったんだと思うんですよね?見ていて、特に最後の佐野がアルバムを開いて見て「親か…」と言うシーン。あれはきっとあけみが父親の奇妙な趣味に理解出来ず苦しんでて、それを「こうじゃないかな?」と言われたのを観て「自己満足…」って思ってたことだったのに彼女が実際に救われたのを見て理解出来て未来が変わっていく予感したんじゃないかな?って。何よりあけみの最後お父さんに宛てたラジオ番組の内容が流れるシーン。あの演出とても良かったな。誰一人も置いていかずに幸せにするような幸先が見える演出を感じて、梅ちゃんさん凄いなぁって一人感動してました。今回の自分の脳内再生BGMは松たか子さんの「みんなひとり」だなって気持ちになりましたね。(同時に「役者魂!」観たくなった)

 


毎回ギリギリに滑り込みしちゃって、北川さんに毎回声を掛けられ、慌ててお金払って、1回目は前から2列目の左から2番目、2回目は謎の前から1列目の1番左の追加(?)座席、3回目は前から1列目の右から2列目でした。毛穴が見えてしまう!!勘弁してくれ!!私が推しの毛穴を見る時、推しもまた毛穴を見ているだから!!(それはそう)そう言えば、差し入れ大丈夫だったかなぁ?倉内さん達には実は豊橋名物「ブラックサンダーあんまき」を差し入れしました。日持ちそこまでしないやつだったけど、お気に召しましたでしょうか?濱田さんには角さんと全く同じものを差し入れしてたので、まさか濱田さんがTwitterで載せてくれるとは思わず「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」って後に1人トチ狂ってしまったところをフォロワーさんにガッツリ見られるヲタクになりました(やめろ)

 


3回も観に行くことが出来て本当嬉しかったな。これからもしし座さんの舞台が楽しみなのと、次の公演もまた待ち遠しいなぁ!!また、今回はめっちゃくちゃご無理を承知しているにも関わらず角さんと濱田さんと梅ちゃんさんにチケットを分配して下さりメールでのご対応誠にありがとうございました!!本当私は出来る限り全員に課金したい位にはしし座さんの皆さんのお芝居が大好きなので、漸くちょっとだけ夢が叶えられました!毎回好きな人が増えていくって最高です!!(実はDDなんだよな。わはは)

 


それでは次回11月のABCホールで会いましょう!!