引き寄せたのは運命の人ではなくヲタクな日々

何ヲタと聞かれると答えられない程のヲタ活をしているアラフォーまっしぐらな女の話。

11/6 17時 劇団しし座「話がちがう」覚え書き個人的メモ

あらすじ(ネタバレ)だったり、個人的メモです

 

・演者さんもマスクを付けている、私達と同じ世界線の話で、とても世界観に没入しやすかったので、この設定考えた方、逆手に取ってて凄いなと感激しました。

 

・葛城さん(角さん)が主人公で、富裕層向けのホテル経営者で青年実業家の役(秩父ら辺にある設定)。城戸さん(斉藤さん)がそのかつて葛城さんの高校の同窓生で偶然同窓会にて再会するところから話が始まるんだけど、同じ同級生だった田村さん(柴田さん)と葛城さんがずっと好きだった佐々木さん(藏垣さん)にも資金集めの援助を頼むが断られ、落胆していた時に、その城戸さんが「文房具娘」と言うアプリで人気を博している会社の社長と知り、資金集めに協力する条件として「オレを感動させること」と言う何とも豪快な感じで言われるけど、葛城さんが真面目なタイプなのもありそれは…と躊躇しながらも早速行動に移します。

 

・まず城戸さんが連れて来られたのはピュアと言う名前で活動する芸術家(?)角川さん(網本さん)の元へ。そのアシスタントをしている智香(服部さん)の絵を描くのを見て感動して貰うとこなんだけど、城戸さんが「分かんない…」に対して私も「分からん」と思ってしまったんだけど(いや、マジで分からん。芸術的センスないかもしれん)、ピュアのアシスタントの智香さんが絵を見るなり「尊い!!」言ってるのが個人的にとても面白かったし、応援している葛城さんのコールも面白かったな。それを見て「お前も描いて見たらどうだ?」と葛城さんに言われて城戸さんも描いてはみるものの、ピュアさんの描いたものを見様見真似していたのもあり、怒りに触れてしまい修羅場に。本当にコイツら雇うのか?と言う城戸さんの言葉に「大丈夫か?」と思ってたら、智香の父である米山さん(倉内さん)が乱入して来て益々ヤバい展開に。智香がバイトをサボっていること、ピュアから絵を買ったことなどもあり、会社を設立したら雇う話に飛び火して、葛城さんが謝罪しないとならない立場になってしまい、城戸さんが葛城の働くホテルに行けばいいんじゃないだろうか?と連れていくと大人しくなる米山さん(一件落着?)

 

・葛城のホテルのラウンジ等を指揮っている茶畑さん(濱田さん)に何とか部屋でもレストランでも空けられないか相談しても答えはNOと言われてしまう葛城さん。「どんなお客様だろうと皆さま平等です」と社長に言える辺り凄い。茶畑さん曰く「私の時給換算すると500円です」はどうしてそうなった?いや、労基に訴えられたら終わるやん?葛城さん!と思ってしまうし、本当茶畑さんはあったかいお風呂入って、ご飯食べて寝てくれなどと思ってしまう位にキビキビ働いてて本当偉いって思ってしまった。お客様から言われた言葉に感銘を受けて健気に頑張っている茶畑さんの本心を知ってうっかり抱きしめようとする葛城さんだけど、セクハラになるからかで手を挙げてて笑ってしまった。確かに私自身も観光業と言うか旅行業に携わる立場なので、共感するところだらけな台詞が多かったな。

 

・また、角川さんと茶畑さんが元先輩と後輩で、やりあった過去だったり、そんな中、智香さんと米山さんのやりとりの詳細が出て来て益々葛城さん不利な状況になっていくんだけど、そこに何故か葛城さんの同級生である田村さんと佐々木さんが葛城さんの両親から雇われていて、事業をする話から全員の足を止めて葛城さんのご両親が会社を経営する会社でいい条件で働かないか提案をしてくるんだけど(2人はそれが上手くいけば報酬が貰える条件をのんだらしい)傾きかけてる全員にお辞儀して葛城さんは「ありがとうございました。一瞬でも会社を立ち上げる夢を見れてよかった」と言うんだけど、みんなはその話より、葛城さんが立ち上げる「疲れた日本に夢と感動を!」の会社に付いて行きたい話をしてくれる。ラスボス感強い田村さんと佐々木さんの存在感全く最初なかったぞ?その素振り。

 

・この伏線回収がその後凄かった。葛城さんは両親から自由になれず実は富裕層向けのホテルは名ばかりの社長をしているのを知った城戸さん。初めて友達が自分の夢を持ったのに前に進めない上、足踏みして、更にはそれすら諦めようとしているのを見て背中を押してくれるところにめちゃくちゃ胸が熱くなりました。卒業後、実は城戸さんに付き合うなと両親から釘を刺されていて、不自由なく生きてられるのは両親のおかげなんだよな。と寂しそうに言うシーンもとても良かったです。あのポスターになっていた台詞からの流れも個人的には好きでした(葛城さんが城戸さんをどつき?ながら言う台詞のシーン)

 

・無事新しい事業を始める事が決まった後の葛城さんがウルウルしながら喜ぶ姿が印象的で、新しい人達と新しい事業をしていく決意を持って、葛城さんがお父さんと話して、和解した後「行って来ます」と背中を見せて振り返ることなく前に進む葛城さんとても輝いてました。(私の中ではこの時のBGMに関ジャニ∞の「振り向くわけにはいかないぜ」が大音量で流れました)

 

・見終わった後に「これは観ている私達も含む全員の物語なのでもあるのでは?」と言う錯覚に襲われました。と言うのは、コロナ禍になり様々な事は確かにゼロになってしまったけれども、葛城さんのように「疲れた日本に夢と感動を届けたい」と思っている人はきっとたくさんいる。だけど、やり方が分からなくて足踏みしている人もいる。そこにそっと背中を押された様な気がしました。私も動き始めた世界を明日からまた頑張ろう。いろんな人と一緒に。そう思える作品でした。

 

・面白いところもあったし(ピュアさんを応援する葛城さんが若干チャラめだった様な?)、ズブダンズンブングンはもう世代的にツボでしたが、流石にマスク越しにクスクスしか笑えないのしんどかった。遠慮なく笑いたかったけど限度があるよねと配慮してしまったのは観客としてあまりよくなかったかもしれない(反省)

 

・来年もまた新作やると聞いてるので、また観に行きたい。役者さんも全員魅力的で、役柄も個性強めだったけど、どんなお話やるのか楽しみです。

 

近々、内容も含めて大阪満喫したメモも書き出そうと思います。観に行って本当に良かったな。作品の中にある関西の人の前を向く強さを感じられて、本当に元気貰いました。素晴らしい作品をありがとうございました!!